「若者のすべて」に寄せて

毎年、夏の終わりが近づくと必ず聴きたくなる曲がある。

それはフジファブリックの「若者のすべて」だ。

僕がこの曲に出会ったのは、大学生の時だっただろうか。

そのノスタルジーに溢れた世界観に、深く心を揺さぶられてしまった。

なかなか日々がうまくいかず悶々としていた僕の気持ちに、とても共振するものがあったんだと思う。

それからというもの、毎年夏になると必ずこの曲を聴くようになった。

いまの自分は、あの頃に比べて前に進めているだろうか?

そんな問いを自分に投げかけるために。

 

そして「若者のすべて」を作った志村正彦さんが亡くなって、もうすぐ9年が経とうとしている。

僕は若者と呼ばれる年齢から少し遠ざかってしまった。

だけど、この曲を聴くと若者だった頃の気持ちを一瞬で思い出すことができる。

実は今もこの文章を書きながら少し涙ぐんでいるほどだ。

本当に情けない日々も、僕の人生にとって大切な一部だったんだと今なら心から思える。

あと僅かになった今年の夏を、志村さんの歌と共に過ごしてゆきたい。

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